第十章
■関東の主なディキシーランドジャズバンド■

有馬靖彦とディキシージャイブ リーダー・Cl有馬靖彦 Tp下間哲 
 リーダー有馬靖彦を中心として、 アレンジの良く効いたアンサンブルを聴かせてくれる。現存する関東の、プロフェッショナルのバンドではディキシーキングスに続いての歴史を持っている。

宮崎忠一とディキシーキャッスル 故・宮崎忠一(バンジョー)が1975年結成。
 トランペット二本、トロンボーンの3管にチューバ、バンジョー、ドラムのリズムセクション。ツービートを中心になかなか個性のあるバンドである。

外山喜雄とディキシーセインツ リーダー・トランペット・ボーカル・外山喜雄
 リーダー外山喜雄は世界的なルイアームストロングの研究者。自身もサッチモになりきっている。元々はニューオーリンズスタイルを追求しているバンドだが、最近は少々方向転換をし、新しい物に向けて模索中である。しばらくは見守りたい。

中川喜弘とディキシーディックス リーダー・トランペット、中川喜弘
 古典的なディキシーの中にあって、ディキシーランドジャズを理論的に分析し、各楽器の必然性、ハーモニーの取り方、和声楽、対位法の観点から研究している。アレンジもさることながら、ジャムセッション的勢いを大切にし、ディキシーランドジャズの原点を見つめている。

薗田憲一とディキシーキングス リーダー・トロンボーン、薗田憲一
 現在日本においてのディキシーランドジャズスタイルを確立した人物。
カンカン帽に縦縞のユニホーム、マーチングスタイル、チューバ、バンジョー、ピアノなし。在京のバンドは、ほとんどこのスタイルになっている。南里文雄と共に日本のディキシーランドジャズを語るとき欠かすことの出来ない一人だ。四十年、ディキシーランドジャズ界のリーダー的存在。この業界を一人で引っ張っていると言っても過言ではないだろう。

上記のほか臨時のセッションバンド、また、カルテット、クインテットなどのバンドも書き始めるとかなりの数に上る。しかし、さすがにアメリカと比べると数は少ない。
 アメリカの生んだ文化なので、仕方のないことといってしまえばそれまでだが、演奏者はもちろん、観客と共にディキシーランドジャズを日本に残す努力をしていきたい。
▲Index
← 前へ ・ 次へ→