【はじめに】
当「Webジャズ講座」を始めるに当たり、僭越ながら、日本ジャズ界の先輩として、
「私のたどってきた道」を、自分を分析しながら、皆さんに理解して頂きたいと思います。

WEBジャズ講座


第一回 アドリブとは

第二回 アドリブとはA

第三回 日本人とジャズ アドリブ

第四回 How toジャズ・アドリブ

第五回 How toディキシーランドジャズ

第六回 ジャズに使用される楽器



過去クリニックで教材として使用した「小冊子」を用意してあります。

■その1「マウスピースの選び方〜ウォーミングアップ等」
■その2「道具の重要性〜奏法トレーニングの方法・ジャズアドリブ理論等」
■その3「トランペット・西洋人VS日本人〜循環呼吸、アドリブで使うタンギング等」
■その4「キャラバンドミナント解説」

購入後希望に方はこちらからお申し込みください。(各500円 税・送料込み)
尚、商品は「pdf」ファイルをメール添付でお届けになります。




第一回 【アドリブとは】

このアドリブという語源の、「即興演奏」の日本語訳に、そもそもの勘違いが有ります。

多くの人が、この「即興演奏」という言葉に、何がなんでも、アドリブというと「即興で何とかしなくては」と思い込んでいる事と思います。

「本当の即興演奏はネコだけにしかできない」というと、多くのひとから反論があると思います。


■ ジャズのアドリブVs言葉

今日あなたが、目が覚めて寝るまでの間使った言葉で、「生まれて初めて使った言葉」って幾つありますか?

多分答えは「ゼロ」だと思います。

「えっ、マジ?」

例えばこの「マジ?」という言葉でも、ほんの一昔前まで「落語家の隠語」だったという事をご存じですか?

勿論、意味は「マジメな話しか?」を短くしたものです。

この言葉は、戦後、テレビ・ラジオが復旧し、お茶の間に深く浸透していったことから一般的になった言葉の一つだと思います。

使う側と聞く側が「マジ?」という言葉を「知っていて初めて使える」事になります。

言葉一つを取り上げても、いわゆる最近のギャルが使う言葉、「チョーxx」とか、「ださい」から政治家の使う「マニュフェスト」まで、誰もが、テレビ・ラジオ等、メディア媒体から、或いは友人知人から聞かされて「初めて知った」事だと思います。

いざ、自分が初めて使う段になると、その言葉の抑揚、アクセント、或いは使い方等、ある程度把握してからでないと、人前では使えないものです。

いよいよここで、〈アドリブvs言葉〉の本題に入っていきますが、ジャズのアドリブをする初心者の多くは、「その音の意味を知らずに使ってしまう」ので、聴いている方も「ちんぷんかんぷん」になってしまいます。

初心者がジャズのアドリブを即興と解釈し、ステージ上で楽器に空気を入れ、指を動かし「本当に即興で演奏してしまう」。これはまるで、「ネコがピアノの鍵盤の上を歩いて出した音」とあまり変わらない事になってしまいます。


アドリブを勉強するとは?

前述の「マジ?」一つとっても、語源を知っている必要はないにしても、「使い方」を誤ると、「相手に伝わらない」し又、大げさにいうと「その人の人間の知能程度」まで計られてしまいます。

ジャズのアドリブにおいても、ステージ上で自分が、「いったい何を言うのか」「何を思いつくか」を事前に、「自分調べ」することが必要になってきます。

多分アドリブが出来る人は、私自身を含め、「百分の何秒」の間に、幾つかのフレーズが頭をよぎっていきます。そのいくつかのフレーズの中から、一瞬の中に「どれかを選び、それを演奏する」事になると思います。

いわゆる、幾つかの「アドリブ・ネタのタンスの引き出し」から、その引き出しを開け、瞬時にそれを取り出し演奏する。その「アドリブ・ネタのタンスの引き出し」に、色々なものを詰めておく事が、「アドリブの練習」と言う事になります。

間違っても、「タンスにないものは出せない」と言う事になります。結局、「即興ではない」「前もって用意してあったフレーズ」が演奏される訳です。


■ 前もって用意してあったフレーズ

「アドリブ・ネタのタンスの引き出し」、「前もって用意してあったフレーズ」を増やす事が、アドリブの勉強という事になります。

「てやんでー、こちとら、アドリブは即興だ」といくら言い張っても、「★▽んでー、こち▽★、アド◎ブ☆即◇▼だ―」と言う、訳の分からない事にならない様に、しっかりタンスの引き出しに、「アドリブ・ネタ」を貯金しましょう。

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第二回 【アドリブとはA】
     〈同じ表現芸術、古典落語とジャズの共通点、相違点〉

■共通点

古典落語の「まくら」に相当するのが、ジャズの場合「イントロダクション」通称「イントロ」。
ジャズの小唄(通常32小節の小曲の事をジャズでは小唄とよんでいる)の場合、バースがこれに相当する場合も有ります。

落語家が羽織を脱いで、落語の本編に入っていきます。落語の好きな方でしたら、まくら以外、「落ち」まで「ストーリーは全部知っている」事とでしょう。

ジャズの場合も同じで、イントロ→テーマ→アドリブ→セカンドリフ→ドラムと4バース→ラストテーマ。
何れにしても、落語、ジャズ双方とも、手の内はバレバレです。

落語、ジャズ双方とも、「最初から、最後まで分かっていても楽しく聴ける」という共通点があります。

勿論、あくまでも、落語、ジャズ双方とも演者による事は言うまでもありませんが。


■相違点

これから落語を始めようという人と、ジャズの場合を比べて見ます。同じ表現芸術、とは言いましたが、かなり条件が違ってきます。

落語に有利な事は、楽器と比べ、まず、第一に「声が出せる」そこへ行くと、ジャズの場合、楽器にもよりますが、そうは簡単には音は出せないでしょう。まずは「楽器の鳴らし方」から勉強しなくていけません。下手をすると、「楽器の音出しだけ」で、一生費やす人もいます。

落語の場合は、勿論発声という事もあるとは思いますが、「取りあえず声は出る」これは大きい事です。次に、なんと言っても落語の有利なところは、日本人が落語を目指した場合「日本語の文法」に苦労する事は少ない事でしょう。

「ジャズはフィーリング」といくら豪語しても、例え「理論を知らなくても良い」とはいえ、それに準じたものが身体に浸透していなくてはなりません。
何れにしても、初心者がジャズを習得するには、並大抵の事ではないと言えます。

落語の方が、「習得しやすい」と申し上げましたが、いわゆる観客の理解度も「落語の方がはるかに高い」ですので、ジャズのウソを見破る人は少ないとしても、落語の場合は、「言葉のアクセント一つ」違っても、観客に見破られてしまいます。

落語の話の中で、例えば「て に を は」や前置詞、接続詞の使い方を一つでも誤ると、どんなに話芸が磨かれていても、「ぶち壊し」になる事でしょう。

ジャズの場合は残念な事に、特に日本においては「観客のレベルも低い」ので、「アドリブの文法の誤り」に気づく人は、数少ないと思います。
それを良い事に、「好き勝手メチャクチャ」にならない様に、少なくとも、「観客をだましても自分をだますな」と言いたいですね。

 

コードネームの本末転倒
何が「コードネームの本末転倒」かと申し上げますと、コードネームを発明した当時は、私の想像では、「譜面の簡素化」で有ったと考えられます。
便宜上「譜面の簡素化」の為に考えついたコードネームに対し、逆に「初心者は縛られている」という現象が起きています。
例えば

Key of Cにおいて、コードネーム、C構成音「ド ミ ソ」は初心者も良く理解して頂けると思いますが、何がなんでも、「ド ミ ソ」に縛られてしまう事が、私の言いたい「コードネームの本末転倒」の現れです。


音楽を上から下まで、縦にカットしたとして、「全て3〜4個の音」で構成されているという事は、有り得ないと言えば語弊がありますが、6度が入っていたり、9度が加えられていたりで、決して「ド ミ ソ」だけではありません。

 

では何を頼りにすればよいのか?と言えば、「最終的には自分の耳」と言う事になります。この「コードネーム」を考えついたジェリーロールモートンも、現代の様な使われ方をするとは、想像もしなかったと思います。例えば、絵で例えるならば、「空は青い色、山は緑、雲は白」と習ったとしても、実際には「自分の感じた色を使う」事でしょう。

音楽も同じ事が言えます。やはり「最終的には自分の耳」と言う事になります。

下記URLに詳しくコードネームの発明に付いて記されていますので、参考にして下さい。http://www.ozsons.com/chord.htm

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三回【日本人とジャズ アドリブ】


なぜ日本人はアドリブに於いて苦労をするのでしょうか?

 一つには、歴史的に見て日本人には「ハーモニー(和音)に対するDNAが欠如している、あるいは欠如していた」といっても良いでしょう。

 日本民謡を例題に上げると、尺八、三味線、歌い手が同じ旋律、いわゆるユニゾンです。西洋音楽の様にハーモニーらしきものは存在していません。

 日本人がハーモニーと接触し始めたのは、そこそこ「百年の歴史」といっても過言ではないでしょう。本格的な「ハーモニーとの遭遇」となると、実質五十年、鬼畜米英、敵性音楽禁止が解禁された第二次世界大戦後といっても良いかも知れません。
 
日本の音楽教育に対する疑問・なぜ固定ドに?
 
 私が一番不思議に感じていること、困惑している事ですが、いつの時からは、はっきりしないのですが、日本の小中高、学校音楽教育が「移動ドから固定ド」に変更されたことです。ちなみに、私の時代は幸いなことに「移動ド」でした。

 教える側から見れば「ヘ長調のドは、ハ長調のファ」等とを教えるより「固定ド」一本に絞れば簡単でよい事は良く分かりますが、今になって「固定ド」一本にしぼった弊害が如実に現れてきている事に、日本の文部省は気が付いているのでしょうか。
 
もしビルの階を標高で表すとしたらどうなるのか?
 
 霞ヶ関ビルの五階とサンシャインビルの五階では標高は違うはずですね。この各階を標高で表すようになったらどうなってしまうか?想像しただけで頭がこんがらがってしまいます。

 日本の学校音楽教育が「音名と音階を分けて教える、学習する」この事に気が付かなければ、ジャズのアドリブはごく一部の「絶対音感保持者」のみにしか出来ない文化となってしまう事でしょう。もしかしたら「絶対音感保持者」にも「ジャズのアドリブは困難な文化」と化すかも知れない。

 まあ、ジャズのアドリブなど出来なくても「体制に影響がない」といえばそれまでですが、自分に浮かんだメロディーを譜面に表す時、余程の音楽教育を受けた人以外、ハ長調でしか書けないことになってしまいます。

 これとて、体制に影響は無しといってしまえば、返答に詰まってしまいますが。
私としては、今からでも遅くないので、「移動ド教育復活」を叫びたい気持ちです。
 
なぜアドリブに移動ドが必要か?
 
 例えば、「キーの違うハーモニカ」を演奏する時、もし「固定ドで」と云われたらどういうことが起きるでしょうか、又、もし口笛、あるいは鼻歌を歌う時に「固定ドで」と云われても多分不可能でしょう。
絶対音感が有れば可能かも知れないが…………。

 「口笛、鼻歌」の場合は、「無意識の中の移動ド」を利用している事でしょう。
アドリブとは「口笛、あるいは鼻歌」の様に演奏されなくてはならないのです。
 
「 口笛、鼻歌、無意識の中の移動ド」の呼び出しキーワード
 
 「無意識の中の移動ド」を「口笛、鼻歌」に変換するのは、無意識で出来ます。これはあくまでも、過去に自分の耳にしたり、例えばテレビからのコマーシャルソングであったり、子供の時に親から聴かされた子守歌だったり、今では、電車の発車ベル代わりの音楽だったりです。

 ジャズのアドリブの場合は、自分の好きなプレーヤーのCDなり、いわゆる音源を完全に憶えてしまうまで、自分の力で覚え込まなければならない、この作業は辛いことですが、これ無くして、ジャズのアドリブ習得は不可能といっても良いでしょう。
 
日本語とジャズ
 
 例えば四分音符に言葉を当てはめた場合、英語ならば、1拍目にThis 2拍目 is-a 3拍目book 」日本語では、[1拍目に「こ」 2拍目「れ」 3拍目「は」4分休符]「ホ ン で す 」となります。

 英語の場合、言葉自体がスイングしていることにお気づきでしょうか?英語には言葉自体に「裏のビート」が有りますが、日本語の場合、裏のビートが無いので、ビートを出すには、子音の後に子音の母音をのばす様にしてスイングしなくてはならなくなります。

 良い例が、少し古くなりますが坂本九の♪上を向いて歩こう♪うーう えーえ おーお むーう うーう いーい てーえ♪こうでも歌わないとスイングしません。

 試しに次の曲♪I left my heart in San Francisco♪を何気なく口ずさんでみて下さい
単なる四分音符でもスイングすることに気づくはずです。

 この事をアドリブに結びつけると、四分音符4個を演奏しても「一拍でも裏を感じさせる」必要があります。
「タ タ タ タ 」と演奏するときも「タッ タッ タッ タッ」小さな「ッ」を感じさせなくてはジャズにならない。これが「クラシックとの大きな違い」と云っても良いでしょう。
 
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第四回 【How to ジャズ・アドリブ】

読者「おメーさんの、ノーガキ良―分かった。どうでもイイけど、クドクドと落語がどーの、日本語がどーの、だったらドーすりゃアドリブが出来るっチューねん?サッサと教えんかい!こちとら江戸っ子バッテン、気が短いでござる」


講師「まーまー、そう慌てなさんな」ところで貴方、どこの国の、いつの時代の人ですか?


ジャズという文化は、1900年初頭に、アメリカはニューオリンズで、黒人達の間に生まれているのは良くご存じだと思います。下記 URL参照

http://www.ozsons.com/IdxHistory.htm

http://www.ozsons.com/table.htm



まず、自分が演奏したいのは、いつの時代のジャズか、ジャズの種類はディキシーランドジャズか、ビーバップか、ボサノバか、アフリカンミュージックか、はたまた、ヒュージョンか・・・・・・。

もはや、現在では「ジャズと言って全てを一括りに出来ない」時代になっています。


もしジャズを統一するとしたら、全てのジャズに相通じる「ジャズのスピリット」、日本語で言えば「ジャズ魂」とでも言えば良いかな・・・・・・・・。

と言う訳で、大ざっぱにジャズを年代順に並べると


「ディキシーランドジャズ」tp.ルイアームストロング他

「スイングジャズ」cl.ベニーグッドマン bib.ライオネルハンプトン他 

「カンサスジャズ」piano カウントベーシー T.sax.レスターヤング他

「ビーバップ」sax.チャーリーパーカー tp.ディジーガレスピー-他

「クールジャズ」tp.マイルスデビス他

「ファンキージャズ」drum アートブレーキー他

「フリージャズ」tp ドンチェリー sax. エリックドルフィー他・・・・・・・・。

「ヒュージョンジャズ」tp.・sax.ブレッカーブラザース他




現在(ここ14〜5年)の傾向として、日本を問わず、世界的に、ウイントンマルサリス等に代表される若きプレーヤーによる、「4ビートを中心としたストレートアヘッドなジャズ」が主流といっても良いようですが・・・・。


「ディキシーランドジャズ」

日本では「ディキシーランドジャズ」と言うと、1クラス下に見る傾向に有りますが、「ディキシーランドジャズ」が出来ないジャズ屋は「ニセ者」と言っても良いでしょう。


(私がディキシープレーヤーだからと言う訳では有りません)


絵画の世界に例えるならば「ディキシーランドジャズ」はデッサンの様なものです。

又、具象派、抽象派とに分けると「ディキシーランドジャズ」は前者になります。


 画家ならば、どの様な絵を描いても、デッサンがしっかり出来てなければ、「本物のでは無い」と言っても過言では有りません。


 あの、どちらを見ているか分からない絵を描くピカソでも、若き日のデッサンは、実に天才にふさわしい、しっかりとしたデッサンを残しています。



 読者「だったら、ディキシーランドジャズはどうやってヤリャー良いんじゃツーの?タクッ!」


 講師「マー、マー、マー、落ち着いて」



 「ディキシーランドジャズ」を演奏するには、その時代的な音の使い方、ノリ、音色etcに、かなりの制約、制限が有ります。


ブルーノートは別として、ハ長調ならば、基本的に経過音を除き、黒鍵はほとんど使いません。


例えば、フラットナインス(♭9)、シャープナインス(♯9)、シャープイレブン(♯11)等は使わない。


もう少し分かりやすく説明すると、「自分が声を出して歌える範囲の音」と言っても良いでしょう。


(マァ、この事は全てのジャズに言えてしまいますが・・・・・・。)


読者「ブルーノート、経過音、フラットナインス(♭9)・・・。ジャズちゅーのは、難しーもんじゃのー」


講師「グワッ ハッハッハッ・・・・・。ジャズは、馬鹿にゃ出来ない、利口はやらない、あんた、どっちじゃー」


続きは次回
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第五回 【How to ディキシーランドジャズ】

「馬鹿には出来ない、利口はやらない」等と失礼な事を言ってしまいましたが、ジャズを会得するのに、私が言うまでもなく「音楽学校を出てなければ」等というで事は決して有りません。


ジャズの起源については、諸先輩、先達の方々が書かれていますので割愛しますが、そもそも最初に始めたアメリカ移住の黒人達(アフリカ系アメリカ人)には、「これっ」と言って音楽の教養が有った訳では有りません。


黒人達(アフリカ系アメリカ人)に、特に優れていたところは何と言っても「リズム感」と言っても良いでしょう。

何万年と培った黒人達の「リズム感」は「DNAの奥深くまで入り込んでいる」と言っても決して過言では有りません。


私事ですが、40年程前私が在籍していた楽団「高橋達也&東京ユニオン」で、あのスティービーワンダー(マーサー&バンデラスも共演)の伴奏をつとめた事がありました。


在日米軍・家族の慰問を兼ねて米軍キャンプを回った時の事です。スティービーワンダーの音楽が始まり、ステージから見た客席で「黒人と白人の、身体の動きの違い」にビックリというか、深い感銘さえ受けました。

大人から子供まで「リズムのノリ、身体の動き」がはっきりと「黒人と白人に別れた」のには、「あいつ等とジャズで戦っても勝てないな!」とまで思ってしまった程です。


例えば大人なら「後天的に何かを真似る」と言う事も考えられますが、年端のいかない子供の動きに「これはDNA抜きには説明がつかない」と思った次第。


そのDNA入りの黒人のリズム感と、白人から受けた西洋音楽の影響がヒュージョンして「ジャズが生まれた」これは間違いないと思います。


前回「ブルーノート」(ジャズクラブの名前ではなく、ドレミのミの音が低くなる現象)という言葉が出てきましたが、この「ブルーノート誕生」も黒人独特のDNAが深く影響しています。


アフリカに暮らしていた黒人は、「ペンタトニック」(5音階)多分、「ラ、ド、レ、ミ、ソ、」だったと考えられます。現代のジャズ理論で解釈しますと「Am7」と言う事になると考えられます。(ペンタとは数字の5の事。米国のペンタゴンは5角形の建物)


この例えが、良いか悪いかは分かりませんが、4,5才の子供が寿司と言えずに「チュチィ」「ラリルレロ」が「ダ ディ ドゥ デ ド」と言うように、「ド#」を「ラ、ド、レ、ミ、ソ、」の「ド・ナチュラル」でしか歌えなかったものと考えられます。


喜久三でお馴染み「いやんバカーん、そこは×××なの」で有名な「セントルイスブルース」も、大元はメージャー(長調)です。


ブルーノートは7度(ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ドのシ)も下がりますが、これも同じ「ペンタトニック」(5音階)多分、「ラ、ド、レ、ミ、ソ、」で説明が付けられます。

ブルーノートには「♭5」も入りますが、「Am7の平行調−Cメージャーの3度が下がったもの」と考えれば説明がつきます。


読者「で、ディキシーランドジャズはドーなっちょんねん?」

講師「ブルーノートがわからんチューから説明しただけだすが・・・・・・。」


しかし、何と言っても「ディキシーランドジャズ」は上手く出来ていますね。

歴史的に見ても、「それまでには無い音楽の形態」と言っても過言では無いでしょう。

楽器の配分もメロディー隊にトランペット・クラリネット・トロンボーン、リズム隊(ピアノ・ベース・ドラム)・(ギター又はバンジョーはオプショナル)


メロディー隊のトランペット・クラリネット・トロンボーン、これは絶妙なる取り合わせ、組み合わせですね。

現在のジャズオーケストラはグレンミラーを始めカウントベーシー、サドメル、デュークエリントンに至るまで、ディキシーランドジャズのメロディー隊のトランペット・クラリネット(サックス)・トロンボーン、をふくらませただけと言っても良いでしょう。


管楽器と言えばホルンでも、オーボエ、ユーフォニューム、他にも色々ありますが、ジャズとなれば「トランペット・クラリネット(サックス)・トロンボーン、」リズム隊(ピアノ・ベース・ドラム)・(ギター又はバンジョーはオプショナル)この組み合わせしかない。

未だに、ホルン、オーボエ、ユーフォニューム等の「ジャズ奏者はいない」、とは言いませんが、「いないに等しい」と言っても良いでしょう。


読者「で、ディキシーランドジャズはドーなっちょんねん?」

講師「まずは、楽器の組み合わせを説明しただけだす。」

読者「で、ディキシーランドジャズにはチューバちゅーモンが有ったような気もした
けんど・・・・・・?」


講師
「あーアレか?あれはチューバ(急場)しのぎ。グフフッ・・・・・。」
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第六回 ジャズに使用される楽器

ジャズに使用される楽器って事など考えた事有りますか?前出の「チューバ」もそうですが、まず、「ジャズの事始め」から考えてみると、現在ジャズで使用されている楽器の意味が見えてきます。

 http://contest.thinkquest.gr.jp/tqj2002/50585/America/History1_America.htm

 http://orchestra.musicinfo.co.jp/~kcpo/info/34th/history.html

 http://www.hfitz.com/jazz/rekisi/jazz_rekusi.html

 アメリカの奴隷として連れてこられた黒人は、今にして考えると、とんでもない事ですが、いわゆる「家畜並み」の労働力という事になります。

 牛、馬でしたら餌を与えられ、寝る場所で済んだ事と思いますが、「アフリカ人、色が黒い、無学、白人的教養が無い」と言うだけで、人間としの条件は全く何の変わりない、むしろ白人より優れた面も多い部分も多々有った事は、歴史が証明しています。


 昼日中の過酷な労働、精神的苦痛、アフリカへの帰国願望、等々、様々なつらさ、苦しみから誕生したジャズは、「欲求不満解消」等と言う安易な言葉ではかたづけられない、想像を絶したものと考えられます。


 現在でもアフリカにおいての太鼓は「喜怒哀楽の表現、通信手段、冠婚葬祭時の鳴り物etc.....」として使用されていますが、ジャズ誕生当初は、やはり打楽器が中心だったと思われます。


 又、管楽器は何としても、現在のように電気的増幅装置の無かった時代ですから、楽器個体で大きな音が出せるという事が第一条件だと考えられます。

 もう一つ、残響の少なめな、言うなれば「歯切れの良さ」も求められたと考えられます。


 それらを考え合わせてみると、管楽器も段々範囲が狭まれてきます。

南北戦争(1861-1865) 終戦後、軍楽隊から払い下げられた中には、様々な楽器が有った事でしょう。

現在、ジャズで主に使用されているトランペット、トロンボーン、サックス、クラリネットの他にも、金管楽器ではホルン、ユーフォニューム、バリトンホーン等、木管楽器ではオーボエ、バスーン等、これ等は当時の黒人にとって高価と言う事も考えられますが、上記の条件、ビッグサウンド、歯切れの良さ、と言う点で使用されなかったと考えられます。(楽器の値段も高いけどね・・・・ブツブツブツ・・・・・・・。)

読者「先生!すみません!ディキシーランドの話はどーなっているんですか?」

講師「るせーなー!今忙しーんだよ。ディキシーがどうしたって?アレッ、ディキシーの話だったか?ご免ごめん、つい夢中になっちゃって」


■ ディキシーランドジャズの楽器編成

黒人達が演奏していたのは、多分、最初は原始的な太鼓、或いは太鼓もどきだったと考えられます。アフリカを懐古し、又、重労働の苦しみを忘れる為にも、激しく打ち鳴らされていた事でしょう。

多分、当初は「リズムだけの音楽」だったろうと考えられます。


管楽器の方はと言えば、白人に影響され、教会の音楽から聞き覚えた賛美歌、ヨーロッパの民謡など曲名も分からず、南北戦争終了後の軍楽隊より払い下げられた、中古楽器を使い、見よう見まねで演奏されていた事と思います。


どうしても管楽器の方はドラムのサウンドに負けない「大きな音の出る楽器へ」又、激しいリズムに付いていく「歯切れの良さ」を追求した結果、その条件を満たすのは、まず何と言ってもトランペット(或いはコルネット)でしょう。

トランペットをオクターブ低くしたトロンボーンも歯切れ良く大きな音が出ます。次にクラリネットも吹き方によっては、結構大きな音が出るものです。


クラシック音楽の様に、良く響くコンサート会場で演奏する訳では無し、電気的拡声装置の無かった時代ですから、ついつい、上品な音の出る楽器は無視され、より大きな音、より歯切れの良い楽器へと自然淘汰され、トランペット、トロンボーン、クラリネットが残ったのだろうと考えています。


初期のディキシーランドジャズは、正確には「ニューオリンズミュージック」とよばれていた様ですが、ジャズという言葉もその後に生まれています。

語源に付きましては下記URLを参考にして下さい。

http://www.ozsons.com/JazzWord.htm


ラグタイムとディキシーランドジャズ

アフリカのスタイルでリズム中心にし、黒人達に演奏されていた「ニューオリンズミュージック」も段々と進化していき、管楽器を中心としたメロディー楽器も使用される様になっていきます。


中には、音楽的教養を身につけたプレーヤーも現れたと想像されます。

元々ラグタイムはヨーロッパのダンス音楽形式で有ったとされていますが、アフリカのリズムと合体し、ディキシーランドジャズに発展していきます。


「ディキシーランドジャズの語源」

この「ディキシーランドジャズ」の語源につきましては「諸説有る」と言われています。

ニューオリンズは、スペイン、フランスからアメリカの手に渡っています。フランス統治時代、フランスで数字での10の事はDIX、10フランの事を「ディックスフラン」

「ディックスフラン紙幣」の使用出来る地域一体を「DIXIELAND」と呼ばれ、その地域から発生した音楽を「ディキシーランドジャズと呼ぶ様になったのであろう」と云う説が一番正しいようです。

http://www.ozsons.com/NewOrleansJazz.htm


講師「オッホン!ディキシーのレキシー(歴史)は理解出来たかな?」

読者「あまりのくだらなさに、海に飛び込みデキシー(溺死)、いやはや電車に飛び込んでレキシー(轢死)したくなりそー。トホ、ホ、ホ、ホッ・・・・・・・・。 」


アメリカ独自の楽器「バンジョー」

アメリカの歴史は非常に浅く、楽器といえば、太鼓以外は、ほとんど全てヨーロッパより渡ってきた楽器と言っても良いでしょう。この太鼓に関しても、アフリカの移住民が持ち込んだ、という事になります。


そんな中にあって、アメリカ独自の楽器と言えば「バンジョー」という事になります。

偶然ですが、日本にも同じような楽器「三味線」が有りますが、音を大きくする為に使われ、響かせる皮は「三味線」がネコに対して、バンジョーは牛、又は馬になります。


動物の皮はその日の天候により「音の鳴り」が変わってきますので、現在では全天候型用にプラスティックが使われています。


チューニングの仕方も他の弦楽器と同じく数種類か有りますが、ディキシーランドジャズに使われるバンジョーは通常、「テナーバンジョー」とよばれ、「ド、ソ、レ、ラ」分かりやすく言えば、バイオリン族の「ビオラと同じ」です。


バンジョーというと、どうしても技術的、又、音色的にも「ディキシーランドジャズ以外には使用される事が少ない」といっても良いでしょう。


ウエスタンミュージックで使われるバンジョーは5弦で、ギターにより近いチューニングとなり、フィンガーピックで単音にて演奏される事が多く、ディキシーランドジャズのテナーバンジョーとは一線を隔しております。


読者「バンジョーの歴史は、波瀾万丈(バンジョー)等と、くだらない洒落を言わんで下さいよ」

講師「てやんでー!甘く見ちゃーいけないよ。朝弾いても晩ジョーとはこれいかに。グワハッハッハッ・・・・・」


トランペットの役目

 やはり、楽器の特徴上派手な音の出る楽器といえば、「トランペット」という事になります。その様な訳で主メロディーを「トランペット」が中心となり演奏される事が多くなります。

 「ニューオリンズミュージック」と呼ばれていた初期は、どの様な楽器を使ったとしても、「ユニゾン」(全員が同じ音)で有っただろうと想像されます。いずれにしても、「トランペット」の音の大きさ、派手さには勝てず、クラリネットなどは、より高い音で張り合った事でしょう。


トロンボーンのテールゲート奏法

 初期のニューオリンズジャズ、ディキシーランドジャズ共、冠婚葬祭、クラブの宣伝、その他、お賑やかしの車上によるパレードの為に引っ張り出される事が多く、演奏時トロンボーンの長いスライドが邪魔になる為、最後尾、つまり、「テールゲート」に追いやられています。

 その為、ディキシーランドジャズトロンボーン独特の「グリッサンド奏法」を「テールゲート奏法」とよばれています。


クラリネットの役目

 クラリネットはトランペットに比べ、どうしても音が小さく、3度ないし6度上を演奏するか、ピッコロの様なトリルで「引っかき回す」といえば語弊が有りますが、何とか目立たさせ無くてはなりません。

 また、分散和音を使ったオブリガートでトランペットの音の間を縫います。

 何と言ってもクラリネットが目立つ為には、やはり「ソロで」という事になりますね。


チューバ・ベース

 初期のチューバ・ベースは「ドッ ソッ ドッ ソッ」 「ボン ボン ボン ボン」と1拍目、3拍目に演奏される事が多いのですが、これは「ラグタイムの影響」といっても良いでしょう。

 日本のジャズマンはこのチューバのスタイルを、一小節に2つしか音を出さないので「ボン ボン ボン ボン」「盆 暮れ 盆 暮れ」と冗談を言ったものです。


ドラム

 私、いつも不思議に思っている事ですが、ジャズで使われるドラムの「シンバルレガート定番」「チーンチーキッ チーンチーキッ チンチーキッ チンチーキッ」というのは誰が最初に始めたのでしょう?ご存じの方いらっしゃいますか。


 もう一つ、ハイハットの2拍、4拍「ンッ チャッ ンッ チャッ」これも誰が始めたのだろうと考えると面白いと思いませんか?


読者「先生ッ! 私もシンバルレガート・チーンチーキッ チーンチーキッ出来マース」

講師「お前さんには未だ早い。どう聴いても『イーンチキッ イーンチキッ いんちき いんちき 』クッ クッ クッ・・・・・・。 」
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